運送業の監査で指摘されることが多い事項

運送業では、運輸局による厳しい監査が行われますが、指摘を受けるケースで数値的に多いのが、点呼の不履行、乗務記録の不備、労働時間規則違反などが顕著です。

これらを防止するために様々な施策が講じられていると思いますが、システムの導入による一般的な防止策を以下にまとめました。

  • 点呼の不履行防止策では、自動点呼システムの導入し、運行管理者が遠隔で点呼を行うことを可能にします。これにより、運転手が出発前・運行中・帰庫時に必ず点呼を受けることが可能です。
  • また、アナログ的ではありますが、点呼チェックリストの作成が有効です。
  • 運転手が点呼時に確認すべき項目をリスト化し、チェックリストに従って点呼を実施します。チェックリストを使うことで、漏れなく点呼が行われるようにします。
  • どこの事業所でも行われている定期的な教育と訓練では、運転手と運行管理者に対して、点呼の重要性や正しい点呼方法について定期的に教育と訓練を実施します。
  • 大事なことは形骸化してしまわないことです。これにより、点呼の習慣化と意識向上を図ります。
  • 乗務記録の不備防止策では、電子乗務記録システムを導入し、 紙ベースの記録ではなくリアルタイムで正確な記録を可能にします。電子記録は保存・管理が容易であり、監査時にも迅速に提出できます。
  • 運行管理者は、定期的に乗務記録を確認し不備がないかのチェックが重要です。
  • 不備が見つかった場合には、速やかに修正を行い運転手にフィードバックすることが重要です。運転手側の注意すべき点としては、乗務記録の重要性や正しい記入方法について、記録の正確性を保つための意識を高めることが重要です。
  • 労働時間規則違反防止策では、運行管理システムを導入し、運転手の労働時間をリアルタイムで管理します。システムは労働時間の超過を自動的に検出し、警告を発することで、過労運転を防止します。
  • シフト管理を徹底することで、法定の労働時間を遵守することができます。最後に 運転手の健康状態を定期的にチェックし、過労や健康問題を早期に発見・対応します。

この他にも、さまざまな施策があると思いますが、重要なことは、監査で指摘されないことではなく、物流を安全かつ確実に目的地まで行い、従事する運転手の健康と安全を守ることだと思います。

これらの導入には、初期投資が必要になります。事業所の規模により導入費用は変わりますが、国土交通省の補助金申請をパスした点呼システムも販売されています。


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